• 266月

    すい臓がん新薬の最終治験が8月から台湾で開始される。

    最終の第3相臨床試験が実施される抗がん剤新薬は、「ナノプラチン」。新薬ナノプラチンは肺がんなど多くのがんで使われている抗がん剤「シスプラチン」を、マイクロカプセルに封入することで、副作用を低減しつつ、効果を増大させた。

    マイクロカプセルは外側が親水性ポリマー、内側が疎水性ポリマーという2層構造に設計されており、 抗がん剤が徐々に放出されてがん組織に蓄積されるため、 抗がん作用を増大しつつ、副作用も減らす効果があるとされる。

    実施される臨床試験は、転移性または進行性のすい臓がんが対象で、既にすい臓がんに用いられている抗がん剤「ゲムシタビン」との併用効果を検証される。総数300件余りの症例へ投与される予定。

  • 256月

    難治癌である膵臓(すいぞう)がんの治療に効果の高い新治療法が開発された。マウス実験では、全てのマウスのすい臓がん進行が停止でき、転移が抑制されたという。

    抗がん剤は血管の隙間から漏れ出してしまい、ターゲットのがん患部まで十分な薬量が届かないことが問題だった。さらに、がん患部以外で漏れ出た抗がん剤が、正常な細胞を傷付けることで副作用が出るのだった。

    すい臓がんの新しい治療法は、ドラッグ・デリバリー・システム(DDS:Drug Delivery System)という手法を利用した。 がん治療の標的となるがん細胞だけに抗がん剤を届けるためのDDSは、複数の抗がん剤分子をまとめて球体を形成させた。球体となった抗がん剤は、途中の血管からは漏れないが、がん細胞の血管の壁は隙間が広いため、壁を通り抜けて標的のがん細胞に辿り着き、攻撃できるのだ。

    新治療法の検証のために膵臓がんを自然発生させたマウス30匹に対して、有効性が検証された。
      A) DDSによる治療グループ
      B) 通常の抗がん剤治療グループ
      C) 治療をしないグループ

    B,Cのグループは、それぞれ肝臓に8匹ずつ、消化管に7匹ずつがん転移が発生し、 56日間で半数が死亡した。しかし、AのDDS治療を施したグループでは、全てのマウスの膵臓がんの進行が止まり、全てが70日間生存した。転移は56日目時点で2匹のみ肝臓に転移しただけだった。

    がん細胞に直接抗がん剤を届ける新治療の効果は高く、 がんの進行や転移を抑制し、生存率が高められる期待が高まっている。

    東京大学が発表した研究成果は、24日付の米科学アカデミー紀要電子版に掲載。

  • 246月

    大腸がんは男性で3位、女性では1位の死亡原因となっている。 大腸がんの発症例が増えているのに加え、 大腸がんが早期発見の難しいがんだからだ。

    健康診断で簡単に受けられる大腸がん検診の腫瘍マーカー検査は、正しく発見できる確率は約3割と非常に低いという問題があった。 CTや内視鏡を使えば正確な診断が可能なのは当然だが、簡単な検査ではなく健康診断で気軽に受けられる検査ではない。

    このような大腸がんの早期発見対策として、 新しいバイオマーカーが開発され、検査精度は約8割にまで向上したのだ。

    新しいバイオマーカーによる検査は、血液が「数滴」で行える。 がん検査にかかる時間も短く、コストも安い。それでも、大腸がんの有無を8割以上という高い確率で検出することに成功している。さらに従来の腫瘍マーカーでは診断が難しかったステージ0や1の早期の大腸がんでも、高い精度で診断できるという結果は特筆されるべきだろう。

    開発した神戸大学では、製薬メーカーと共同で、医療現場で手軽に利用できる大腸がん検査キットも開発中で、近い将来に血液型検査キットのような簡便な器具で、大腸がんが高い精度で診断されるようになるだろう。

    がんマーカーが着目した血液中の代謝物を変えることで、 腎臓がん肺がん、など他のがんの検診も簡単で高精度化できる可能性が高まっている。さらに糖尿病などへの適用拡大も期待が大きい。

    数滴の血液だけで簡単に精度よくがんが検出できるこの新しい診断方法が普及すれば、早期発見早期治療でより多くの人の命が救われるだろう。

  • 206月

    がん細胞の性質として、鉄分が減るとがん増殖の速度が抑制されることが解った。 がん細胞にとっては鉄分不足は窮状であり、これを打開するべく血管を新たに引き込もうとする性質があることが解明されたのだ。

    このがん細胞の性質を利用、つまりは鉄分をコントロールする=「除鉄」することで、 がん細胞を追い込まれた状態に誘導し、同時に血管新生阻害薬でがん細胞を駆逐治療するのが新治療法の概要だ。

    抗がん剤は次々に新薬が開発されるが、がんを根治させる確率は実は極めて低いのが実情。新治療法はがん細胞の防御機構を逆手に利用することで、抗がん剤が効力を発揮できなかった種類の「がん」に対しても高い治療効果が期待できる。具体的には、現行で存在する血管新生阻害作用を有する抗がん剤に除鉄機能を付加することで抗がん効果が高まる可能性がある。

    「除鉄」には鉄キレート療法が有効で、1日1回経口で服用するだけの簡便な治療法が承認されています。つまりは、今ある抗がん剤でも十分に応用が可能な新がん治療法の成果に期待が高まっている。

    「除鉄」でのがん治療研究は岡山大学が国際バイオ展「BIO tech 2013」へ発表した。

  • 196月

    がん細胞にシートを貼り付けることでがんを治療する新治療法に効果が確認された。

    新しいがん治療法は、がん細胞に新開発の特殊なシートを貼り付けることで、手術後でも、体外からシートに磁場をかけ、シートの発熱とシートから出る抗がん剤のダブルの治療効果が得られる。

    がん細胞は熱に弱いため、がん患部を45度程度に温める「温熱療法」が効果があることは広く知られている。

    新開発のがん治療シートは、磁気を帯びた粒子と、抗がん剤を混ぜた材料で作られている。シートは磁場をかけると発熱して45度程度になり、さらに熱に反応したシートから抗がん剤が放出される仕組みなのだ。

    実験では、皮膚がんの培養細胞にシートを適用したところ、1日に5分間磁場をかけて発熱させるだけで、2日後にがん細胞は19%に減った。 抗がん剤だけだと26%、発熱だけだと69%にしか減少しないことに比べて、有意に効果が確認されたのだ。

    がん治療シートを新開発したのは、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)。

    当面の治療対象は、食道がんや子宮頸がんでがん細胞が表面を覆う症例=扁平上皮がんへの効果的な適用が期待されている。

  • 186月

    悪性脳腫瘍の治療に用いる抗がん剤「アバスチン」が、新薬として厚生労働省に承認された。

    抗がん剤新薬アバスチンは原発性脳腫瘍の中で最も発現頻度が高く悪性度の高い「膠芽腫」を発病したがん患者の治療に有効とされる新薬だ。

    アバスチンはスイスの製薬会社ロシュが開発製造している抗がん剤。既に脳腫瘍の治療薬として世界各国で承認されていた。